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僕ら世代のジャパニーズヒップホップフリークで、昨日発表されたKICK THE CAN CREW復活のニュースを耳にし、胸が高ぶらなかった人間はまず居ないだろう。
御多分に洩れず、僕もその一人だ。
新しく配信されたMVの所々で、昔の彼らの楽曲フレーズの引用が見えたり、ソロ活動時と比べて各自の特徴が顕著だったりする部分が、また目頭を熱くさせる。
解散や活動休止から十数年経て再開するバンドは数あれど、その両方のタイミングをファンで居られたグループは初めてかもしれない。

 

 

僕が彼らを初めて知ったキッカケは、『SMAP×SMAP』だったと思う。
番組最後のライブコーナー共演を見て、「あれ?この人たちってアンコ the KANCREWの元ネタなんじゃね……?」と気付かされたのが最初だ。
(アンコ the KANCREWとは、当時の小中学生から絶大な人気を博したバラエティ『学校へ行こう!』の1コーナー"B-RAP HIGH SCHOOL"内のパロディラップグループである)
そんな前情報もあり、僕にとってラップは笑いの対象と言うイメージだったのだが、スタジオ内で彼らが歌う様子によって、軽薄な勘違いがいとも容易く覆された。
それ以外でも『NHK紅白歌合戦』や『HEY! HEY! HEY!』を筆頭にTV番組で大手を振って活躍する様子は、頭の悪いボンクラ小学生に衝撃を与える十分な理由となった。
特に覚えているのが、浜崎あゆみ冠番組ayu ready?』だ。
そこにKICK THE CAN CREWがゲスト出演した時は、なぜかクイズをめちゃくちゃ出題される回だったのだが、我らがヒーローKREVAが正解をバンバン叩き出しており、子どもながらに「こいつ、すげー!」と身震いしたものだった。
HIPHOP特有の何となく悪そうな雰囲気だけでなく、そのスマート且つアカデミックな立ち振る舞いは、僕の記憶に深く刻み込まれることとなった。

 

 

と言っても、それはあくまで発端であり、曲も「なんか格好良いな〜」と聴いてはいたものの、どっぷりとハマった訳では無かった。
例えるなら、まだ膝まで浸かった程度である。
それが肩まで、いや、頭まで浸かるようになったのは、中学生の頃だった。
別のグループに魅了され、ラップと言うジャンルに傾倒し始めた僕は、改めてKICK THE CAN CREWを聴き直したのだ。
そこで、やっと気付く。
「この人たち、フレーズの語尾が似たような感じになってる……」
ライム(韻)を初めて意識した瞬間であった。
ayu ready?』で受けた印象は、間違っていなかったのだ!
身体中に電流の走った僕は、HIPHOPカルチャー直伝のディグ精神を遺憾なく発揮した。
クルーでの作品は勿論のこと、客演やソロ、プロデュース作品まで掘って掘って掘りまくった。
未だにKICK THE CAN CREW好きの知り合いの前では『よってこい feat. NG HEAD & RYO the SKYWALKER』の音源を所持していることを自慢してしまう。
バカだね。

 

 

そんなこんなで、KICK THE CAN CREWは僕が愛する音楽グループの1つとなったのであった。
勿論、ライム以外にもリリックのテーマや日本人らしいフロー、心地良いビートなどと魅力は多く存在する。
全て引っくるめてファンなのだ。
ああ!アルバム発売が待ち切れない!

 

 

ただ、同時に彼らが残した罪もある、八つ当たりではあるが。
僕は、KICK THE CAN CREWのファーストインパクトが忘れられなかったため、大学時代に髪を金色に染めていた。
何を隠そう初めて見た時のKREVAが金髪で、スーパー格好良かったのだ。
だが、そのダメージが残っているせいか、ただでさえ広い額が年を経るごとにもっと広くなってきている……気がする。
まだ26歳なのに。

 

 

将来的には、KREVAよりRHYMESTER宇多丸師匠の見た目となっているはずだ。
なぜか涙が止まりません。
未だ見えないあのユートピア

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